相続者たちが知っておくべきポイント!遺産相続の仕組みについて紹介します

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身近な人が亡くなった際に避けては通れない問題が相続です。

被相続人が残した財産は相続者たちで受け継ぐことになりますが、相続の仕組みはかなり複雑です。また、ケースによっては借金しか残っていないといった場合も考えられます。そこで今回は相続に関する基本的な仕組みとともに、借金の相続を回避する手段について紹介していくことにします。

相続の順位は決まっている!まずは民法が定める相続順位に着目しましょう

相続財産を受け継ぐ優先順位は民法によって定められています。受け継ぐ財産の割合もこの優先順位によって変わるので、相続財産を受け継ぐ可能性のある人は、基本的な相続の仕組みについて理解しておくようにしましょう。

まず、相続において無条件に権利が発生するのは被相続人(亡くなった人)の配偶者です。配偶者以外の相続人については被相続人との関係性によって順位が決まります。たとえば被相続人に子供がいた場合の第一相続者は子供です。

第二相続人は被相続人の両親、続いて被相続人の兄弟姉妹は第三相続人になると決まっています。以上のように民法では相続順位がはっきりと決まっており、相続が発生した際には、その手順に従って財産の分割が行われることになっています。

相続において注意すべきは、受け取る財産の割合が相続順位や相続人数によって変化する点です。ケースによっては分かりにくい場合もあるので、分からないことがある場合は弁護士や司法書士といった法律の専門家に相談するようにしましょう。

遺産の分配方法を紹介!遺産は法定相続分を原則にして分配します

財産の相続割合は「法定相続分」で決まります。相続割合はそれぞれのケースにより変わりますが、とくに遺言書などが作成されていない場合であれば、配偶者が遺産の2分の1を受け取り、残りを相続人達で分けることになります。

具体的なケースでは、被相続人が3,000万円の遺産を残して亡くなった場合、残された家族が妻と子供3人であったとすると、相続財産のうち1,500万円を妻が、子供達はそれぞれ500万円ずつを相続するというのが基本です。

このように被相続人に配偶者や子供がいる場合、相続財産はその配偶者と子供がすべて受け継ぎます。したがって第二親族や第三親族に相続の権利は発生しません。次に3人の子どものうち、1人が子供(被相続人の孫)を残してすでに他界しているといったケースで考えてみましょう。

このようなケースでは、亡くなった人の子ども(被相続人の孫)が第一相続人として財産を受け継ぐことになります。このようなケースが代襲相続です。この代襲相続では本来、相続財産を受け取るべきであった人と同様の権利が認められます。

第二親族や第三親族に相続権が発生するのは、被相続人に配偶者、子供、孫などがいない場合です。このようなケースの場合、相続の相談は複雑になりやすいので、早い段階から相続について話し合いの場を設けておくことが大切となります。

遺言書は民法よりも優先される!ただし例外がある点にも注目しましょう

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財産の分割は遺言書などでとくに指定されていない場合、法定相続分によって決められることは説明しました。では、遺言書などの作成により、遺産の分配方法が決められていた場合はどうなるのでしょうか。この場合、遺産の分配は原則として遺言書に沿った形で行われます。

ただ、遺言書があったとしても、必ずしもその通りに財産の分配が行われるわけではありません。たとえば生前に被相続人と子供との折り合いが悪く、遺言書に子供に財産は残さないと記されていたとしても、子供には財産を相続する権利が認められます。

このような権利が財産遺留分です。この財産遺留分とは遺族に最低限の財産を残すための仕組みで、遺言書の内容よりも優先されることが民法により規定されています。もし、被相続人が何らかの理由によって遺族に遺産を残さず、遺言書で第三者に相続させると決めていた場合は、遺留分減殺処分を行うことができます。

この遺留分減殺処分は一方的な意思表示で効力を発揮するものです。もし、遺産相続の際に、自分の権利が侵害された場合は、内容証明郵便で遺産の相続者あてに遺留分減殺処分の宣言を行い、あらためて遺産の分配方法について話し合いの場を持つようにしましょう。

遺産相続はメリットばかりではない!残された借金も財産としてカウントされます

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遺産相続はメリットだけとは限りません。民法が規定する財産には借金も含まれているので、ケースによっては負債資産だけを相続する場合も考えられます。たとえば父が残した遺産を清算しても借金しか残らなかった場合、配偶者(母)もすでに亡くなっているような状況であれば、相続順位に従って、次の第一相続人となる子供が残された借金の相続人となります。

この場合、何もしなければ借金の返済義務は自動的に第一相続人へと移ることに注意しましょう。ただ、この借金を相続しても何のメリットも得られない場合、相続人は所定の手続きに従って、相続放棄を宣言することが可能です。

この相続放棄の手続きを行えば、財産の相続はできなくなりますが、同時に父が残した借金を相続する必要もなくなります。父が残した財産を計算した時に、もし資産よりも借金の額が上回るといった状況であれば、相続人全員とよく話し合い、相続放棄といった措置をとることも検討することが大切です。

相続放棄が認められないケースもある!遺産には手をつけないことが大切です

相続放棄をすることで借金は相続する必要が無くなります。しかし場合によっては相続放棄が認められないケースもあるので注意が必要です。まず相続放棄が認められない1つ目のケースは、資産をすでに処分してしまっている場合です。

たとえば、わずかでも銀行から現金を引き出してしまった場合は、その時点で遺産の相続を認めてしまったことになります。2つ目は資産の申告を怠ってしまったケースです。不動産などの申告を正しく行わなかった場合には、資産の隠ぺいがあったとして相続放棄の手続きが否認されます。

3つ目のケースは申告期限を超過してしまった場合です。遺産相続の手続きは、相続の発生を知ってから3ヶ月以内に行う必要があります。この熟慮期間を過ぎると、財産を相続するものとみなされ、それ以降は相続放棄ができなくなってしまいます。

相続放棄にはこのような例外規定も設けられているので十分に注意することが大切です。もし、遺産相続の放棄を検討する場合は、上記のポイントを踏まえたうえで、早めに親族への通達や必要な手続きを行うようにしましょう。